日本で仕事を辞めたときに、どんな手続きをすればいいかご存じですか?
今回は、帰国せず日本で働き続ける場合についてお伝えしましょう。
■退職時に会社から受け取る書類
退職時には、会社から以下の書類が渡されます。
・雇用保険被保険者証…雇用保険に加入していたことを証明します
・源泉徴収票…その年の給与と所得税が記載されています
・基礎年金番号通知書…公的年金に加入していることを証明します
・離職票…離職したことを公的に証明します
・退職証明書…在籍期間や業務内容、賃金などが記載されています
雇用保険被保険者証以外は、後日に郵送されることが多いでしょう。各種手続きに必要ですし、転職先へ提出しなければならない書類もありますので、受け取ったら大切に保管します。
この他、解雇された場合は、「解雇理由証明書」を自分から会社に請求します。
■退職時に会社に返却する物
・健康保険証
・社員証や入館証
・社宅やロッカーのキー
・作業服や名札
この他、会社から借りた物があれば、退職日までに全て返却します。
また会社の寮に住んでいる場合、退去時に原状回復のための費用を請求されることがあります。後で困らないように、会社から支給された寮はきれいに利用しましょう。また入居する前に、退去時のルールを確認しておくと、なお安心できます。
■住民税の支払い
仕事を辞めても、日本で暮らす以上、住民税の支払い義務があります。通常は、住民税は毎月の給与から天引きされますが、1~5月に退職した場合、最後の給料から未払い分が一括徴収されます。6~12月に退職した場合は、転職先で天引きされるようになるまでは、市役所から届く納付書に従って、自分で支払います。
■退職後の手続き
①出入国在留管理庁への届出
退職後14日以内に、出入国在留管理庁へ、「所属(契約)機関に関する届出」をします。届け出をしないと、今後の在留資格の変更や更新の際の手続きがスムーズにいかないことがあります。
転職先がすでに決まっているなら、「在留資格変更許可申請」を行います。この場合は、先述の「所属機関に関する届出」の提出は不要です。
在留資格変更の許可がなかなか下りず、在留期限が切れそうな場合は、一時的に在留資格を「特定活動(就労可・6カ月)」へ変更できます。特定活動は審査機関が短いため、早く転職先で就労できます。
ただし、以下の点に注意しましょう。
・「特定活動」の期間も、「特定技能」で在留できる5年間に含まれる
・在留期限が十分に残っていると判断された場合は申請できない
・すでに「特定活動」で就労し、自己都合で退職した場合は次の申請では特定活動は選択できない
②健康保険・年金の切り替え
退職後14日以内に、市役所で、国民健康保険と国民年金に加入する手続きをしなければなりません。退職すると、今まで会社で加入していた社会保険と厚生年金保険を脱退することになるからです。退職後20日以内に、健康保険組合で手続きをすれば、今まで会社で入っていたのと同じ健康保険に引き続き加入することもできます。
健康保険と年金は、日本で暮らす人は全員加入する義務があります。収入がなく支払いが難しい場合は、保険料や年金の支払いが免除される制度があります。市役所の窓口で相談しましょう。
→「会社を辞めたら社会保険はどうなる?国民健康保険と国民年金とは」
③失業手当の申請
失業して収入がなくなる場合、条件を満たせば失業手当がもらえます。会社から雇用保険被保険者証や離職票を受け取ったら、最寄りのハローワーク(国営の就職支援機関)で申請しましょう。申請してからおよそ1~2カ月で支給され、金額は、退職前の給与のおよそ50~80%です。支給期間は、一般的に、次の職場で働き始めるまでの数カ月間です。
このように、仕事を辞めてから次に就職するまでには、様々な手続きが必要です。わからないまま放置すると、在留資格変更の許可が降りなかったり、在留資格を取り消されたりする可能性もあります。
困ったことがあれば、登録支援機関など信頼できる機関に相談しましょう。
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