「支給されているはずの給与より実際にもらえるお金が少ない」
「給与からよくわからないお金がいろいろ差し引かれている」
日本で働く海外人材から、そんな不満の声を聞くことがあります。でも、けして職場が不正をしているわけではないのです。
給与についての不満や疑問を解消するためにも、今回は、日本の給与明細の見方を解説していきましょう。
給与明細に記載されている主な項目は、①勤怠②支給③控除の3つ。
①勤怠
実際に働いた日数や時間が記載されています。残業した時間や休んだ日数もわかります。
②支給
基本給と手当が記載されています。
基本給は、毎月支払われる決まった金額。職種や経験年数、資格などに応じて設定されます。ボーナスがある職場では、ボーナスの金額は基本給に基づくことが多いでしょう。
手当は、基本給以外に支給されるお金です。残業した分だけ支払われる残業手当や、通勤に使った交通費も含まれます。他にも、職場によっては資格手当や住宅手当など、様々な手当があります。
③控除
支給額から差し引かれる税金や社会保険料が記載されています。
税金は、収入に応じて国に支払う「所得税」や、住んでいる自治体に支払う「住民税」などです。
社会保険料は、失業したときなどに補助金をもらうための「雇用保険」や、ケガや病気をしたときの保障をしてくれる「健康保険」などです。社会保険は、雇用条件によっては必ず加入しなければなりません。
給与明細を見て、「手取りが少ない」と感じることがあるかもしれませんが、これは③の控除が多いからです。
日本では、税金や保険料は、本人に代わり会社が納める仕組みになっています。毎月の給与から天引きされることで、必要な納付手続きを自分でする手間が省けます。控除は、日本で安心して働くために必要なものと理解しておきましょう。
まれに、転職した際に、転職先の職場で税金や保険料の給与天引きがなされず、未払いとなってしまうケースがあります。後から多額の請求が来たり、在留資格の更新に悪影響が出たりする心配もありますので、給与が支給されたら、その都度、給与明細の内容もしっかり確認しましょう。
もし、わからないことや間違いの可能性を見つけたら、早めに職場に報告して対処してもらうことが大切です。
給与明細は、後から収入や納税額を確認するときにも役立ちます。捨てずに保管しておくといいですね。
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