日本で働いていて、上司や同僚から、「報告してください」「連絡を忘れずに」「相談してね」などと頻繁に言われた経験はありませんか?
「何度も言われると信頼されていない気がする」「何を報告するの?」と不満に感じたこともあるかもしれません。
でも、これは、「報連相(ホウレンソウ)」という日本のビジネスマナーの1つ。「報告」「連絡」「相談」の頭文字からきた言葉で、野菜の「ほうれん草」と同じ発音で覚えます。
日本人は「仕事はチームで行う」という意識が高く、ホウレンソウによって職場の人間関係が円滑になり、業務の効率化が進むとされています。
「報告」「連絡」「相談」は、いずれも意味は似ていますが、使う場面や役割が異なります。
■報告
自分の仕事の進捗や成果を上司に伝えます。こまめな報告で、業務の状況を正確に把握してもらうことで、適切な指示が受けられるようになります。
■連絡
業務に関する情報や自分のスケジュールなどを職場の人と共有します。ミスやトラブルの防止や助け合いに役立ちます。
■相談
問題が発生したり判断に迷ったりしたときに、上司や先輩からアドバイスをもらいます。すぐに報告することで問題が大きくなる前に適切に対処できます。
では、具体的にどのようなことを報告・連絡・相談すればいいのでしょうか。介護の仕事を例に見てみましょう。
介護の仕事で、主にホウレンソウが求められるのは以下のような情報です。
- その日の利用者の様子
- 利用者の状態の変化
- 利用者や家族からの要望
- 施設内の事故やトラブル
介護の仕事では、朝のミーティングで、その日のスケジュールや利用者の状況、注意点などの情報を報告・連絡します。24時間体制の介護施設では、業務の交代時には、必ず申し送りをします。スタッフ全員で必要な情報を共有することで、利用者に適切なケアができます。
利用者の様子がいつもと違うなど、気になったことがあれば、そのままにせず他のスタッフや看護師に相談します。病気の早期発見やトラブル防止につながります。
利用者のケガや家族からのクレームなど、トラブルがあればすぐに上司に報告します。指示通りに対処した後の結果も必ず報告します。正確な報告があれば、上司は問題点の改善や再発防止の策を講じることができます。
このように、ホウレンソウは業務を行う上でとても大切です。これは、介護の仕事に限ったことではありません。
ホウレンソウによって、日本語でコミュニケーションする機会が増えますし、「いつでもきちんと状況を伝えてくれる」と評価されるようになります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、ホウレンソウの意味を理解して実行すれば、日本での仕事がぐっとやりやすくなるでしょう。
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