日本の職場は上下関係に厳しいと感じたことはありませんか?
今回は、職場における上下関係の考え方やマナーについて解説します。
■職場の上下関係の基本
役職者が上の立場なのは当然ですが、日本では、入社時期でも上下関係が決まります。
早く入社した人は「先輩」として遅く入社した人より上の立場とみなされます。たとえ後から入社した人の方が年上でも、職場では先に入社した人を敬い、指示に従うのが一般的です。
ただし、後から入社した人が、先に入社した人より上の役職に就いた場合は、立場は逆転します。
日本は、基本的に目上の人を敬う文化がありますが、職場の上下関係に限っては「役職>入社時期>年齢」となります。
■上下関係のマナー
上司や先輩と話すときは敬語が基本です。日本人は相手の立場や状況に応じて敬語を使い分けます。日本語を勉強中の方には、なかなか難しいかもしれません。相手の話をしっかり聞いて、指示に従おうと努めるだけでも、敬いの気持ちは十分に伝わります。敬語は、会話がある程度できるようになってから、徐々に身に付けていきましょう。
また、日本の職場では、相手を呼ぶときは名前に「さん」を付けるのが一般的ですが、役職のある人の場合は、「名前+役職名」となります。たとえば、田中さんの役職が部長であれば、「田中部長」と呼びます。
日本の職場では、上下関係は席順にも反映されます。会議や会食の際、立場が上の人が「上座(かみざ)」に座ります。上座は、部屋の入り口から遠い席や、景色の良い席が一般的です。逆に、部屋の入り口に近い「下座(しもざ)」には、目下の人が座ります。
車に乗る場合も同様です。運転席の後ろが最上で、次が助手席の後ろ、後部座席の真ん中か助手席に一番立場が下の人が座ります。エレベーターでは、操作盤の奥が最上で、立場が下の人が操作盤の前に立ち操作します。
基本的に、上の立場の人が先に行動し、下の立場の人は後に付き従います。
このような細かい日本のマナーは、上下関係がフラットな国から来た人には、窮屈に感じられるかもしれません。
でも、日本の上下関係にもメリットはあります。職場の規律が守られやすいですし、指示系統がはっきりしているので、業務の流れがスムーズになります。上下関係のマナーを守って上司や先輩と接することで、信頼され、大切に扱ってもらえるようになります。日本での仕事がぐっとやりやすくなるでしょう。
一方で、外国人労働者に、乱暴な態度を取る上司や先輩も残念ながら存在します。上の立場の人から受ける理不尽な扱いを、日本では「パワーハラスメント」と呼び、大きな問題となっています。
もし職場でパワーハラスメントを受けたと感じたら、我慢せずに信頼できる人や機関に相談してくださいね。
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